だいにっぽんメモ

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当ブログは筆者が身の回りのことをメモ感覚で書き残していくブログになります。基本的に”自分用”ですが目が寂しいときなどはぜひお立ち寄りください!

安倍氏「台湾有事は日本有事」の前後文

 

こんにちは

 

台湾国策研究院主催のインパクトフォーラムでの安倍晋三元首相の発言が話題となっていましたね。私自身はこれといった政治的立場などは持ち合わせていないのですが、単純にこういった世界(日本を含む)の動向的なものを眺めるのは好きなのでソースと思われる動画を覗いてきました。

 

動画(本記事で文字に起こしたのは15:08~25:48の部分)

國策研究院「IMPACT Forum日本國元內閣總理大臣安倍晉三閣下」

 

安倍元首相の講演部(太字は報道のあった主な箇所)

「(前略)台湾がとるべき政策に関して何かを言うつもりはありません。ここでは1点、自由と民主主義、人権と法の支配という普遍的価値の旗を高く掲げて世界中の人からよく見えるようその旗をはためかせる必要があるとだけ申し上げます。日本と台湾、ともに努めましょう。民主主義は人の心の自発的なコミットメントを求める制度です。上から権力尽くで強制するものではありません。民主主義はだから強い。私はそう考えます。

次に中国にどう自制を求めるべきか、そこをお話いたします。私は総理大臣として習近平主席に会うたびごとに尖閣諸島を防衛する日本の意思を見誤らないようにと言いました。その意思は確固たるものであると明確に伝えました。尖閣諸島や先島、与那国島などは台湾からものの100km程度しか離れていません。台湾への武力侵攻は地理的空間的に必ず日本の国土に対する重大な危険を引き起こさずにはいません。台湾有事、それは日本有事です。すなわち、日米同盟の有事でもあります。この点の認識を北京の人々はとりわけ習近平主席は断じて見誤るべきではありません。世界中の人々にも今一度この地域・海域の地図をとくと眺めて、今、私が言いましたところを十分お分かりいただきたいと思っております。世界の歴史は戦争がいつどんな時に起こるか教えてくれます。自分の都合に合わせて相手の意思を軽視したり誤解したりしますと軍事的冒険に対するハードルが下がります。そうなるのを防ぐため私たちは自分自身の能力を高め、確固たる意思を示していく必要があります。それとともに、日本と台湾そして民主主義を講じるすべての国々は習近平主席と中国共産党のリーダーたちに繰り返し「誤った道に踏み込むな」と訴え続ける必要があるのだと思います。軍事的冒険は経済的自殺への道でもある。中国は確かに巨大です。でも、世界の経済に深い関係を持っていますから台湾に軍事的冒険を仕掛けた場合、世界経済に重大な影響を及ぼさずにはいません。すなわち、中国は深手を負うことになるのであります。

私たちは経済力・軍事力を充実させ力において決意を示し続けると同時に、理性の言語で中国に「自国の国益を第一に考えるなら両岸関係には平和しかない」ということを繰り返し説いていかなければならないと思います。私は総理大臣としての在任期間中、ひとつには日本の戦略的空間を広げるために、そしていまひとつには中国に自制ある行動を促すために様々な策をとってまいりました。2012年の暮れに2度目に総理大臣となった時、日本は自分自身の防衛力をしっかり上げなくてはならないと決意しました。それまでの10年間、日本はずっと防衛費を削減していた。これを反転させて、毎年、防衛費を増やし、今日に至ります。最新鋭のF-35戦闘機を147機導入すると決め、配備が始まっています。スタンドオフミサイルを導入しあるいは開発する一方、与那国島宮古島には既に陸上自衛隊が駐屯地を置いて、絶対に譲らない決意を示しています。このように自国を守る努力を続けてこそ、日米同盟が力を増します。私は政治的資本を相当に消費したところでありますが、日本の存立にかかわる場合、日本と米国は集団的自衛権を発動できるようにしました。また、平時から米軍の飛行機や艦船は自衛隊が守れるように変えました。当たり前のことができるようにした。その実施件数は対外的に公表しています。年々着実に増えています。日米の共同演習は20年前20回だったのが、昨年2020年には49回に増えました。これらを踏まえて、私は米国の議会で演説をしたとき、「日米同盟とは希望の同盟だ」と言ったのであります。「未来の世界・地域に平和と安全と人々の穏やかな暮らしをもたらす基盤こそ日米同盟である。だから、"希望の同盟"だ。」と主張をいたしました。日米が大きな基軸をなす一方、私はインド太平洋という新しいコンセプトを打ち出して、これは米国、豪州、インドなど世界中の色々な国が使うようになりました。ここにかかる民主主義のネットワーク、それがクワッドです。米国は政権が変わっても私の打ち出した構想を引き続き採用してくれた。そればかりか、首脳レベルに押し上げてくれたことを私は高く評価しています。これらはすべて、インド太平洋に第一に航行の自由や法の支配、基本的価値の普及と定着を図りつつ、第二に質の高いインフラ整備を通じて連結性を高め経済的繁栄を追及するとともに、第三には海洋法執行能力の向上支援などを含む平和と安全のための協力を志を同じくし価値観を共にする国々・人々と手を携えて進めていこうとするものであります。そして、普遍的価値を重視する私たちにとって、「台湾こそはキーストーンである」、そのことを強調したいと思います。皆様、一度目を閉じて真っ暗な状態、暗闇を思ってください。その状態を取り除くのにマシンガンは無力だと私が尊敬するインドのモディ首相はかつて言ったことがあります。一本のロウソクがあればいい、そこに火を灯す、キャンドルの明かりそれが民主主義だ。モディ首相はそう続けました。

台湾の民主化は25年の歳月を経てきました。人が大人になる年月です。世界は台湾の民主主義における成熟を知る必要がある。経済力ではポーランドスウェーデンに勝り、人口ではオランダよりも600万人多い、メルカトル図法に従って台湾を緯度の高い地域へ持っていくとスコットランドデンマークと台湾はだいたい同じ大きさだと分かります。そんな台湾に根付いた民主主義を今から25年先、ちょうど生まれた赤子が大人になった時、もっと強くなって確かなものになったと言えるようになっていたら素晴らしいではありませんか。そうなるよう努めることは日本を含む、自由と人権と民主主義そして法の支配を尊ぶ国々と国際社会の共通の責務であります。まずはWHAへの参加など台湾の国際的地位を一歩一歩向上させるお手伝いをしたい。強い台湾、伸びる台湾、自由で人々に人権を保障する台湾は日本の利益であります。世界全体の利益でもあるからであります。

以上をもって私のキーノートといたします。ご清聴ありがとうございました。」

 

一部正確に聞き取れませんでしたが概ねあってると思います。なお、「前後文を見たら意味が変わったぞ!」だとか「切り取り方がおかしいだろ!」だとか報道に文句をつけようとするものではありません。単純に動画を見て文字に起こしてみたくなっただけです。政治的意図も全くございません。悪しからず。