今回の講義は「短歌の解釈」です。現代の人々はTwitterやInstagramなどのツールを活用してコミュニケーションをとっていますが、平安時代の人々は短歌を使ってコミュニケーションをとっていました。最初に短歌がどのようなものであるかを確認しておきましょう。
俳句などとの違い
◯ハイク
五七五からなる。季語を用いらなければならない。松尾芭蕉の「古池や かわず飛び込む 水の音」などが有名。この句では「古池」が秋の季語。夏が終わって池の水が臭くなってきたという情緒を表わす言葉。
◯タンカ
五七五七七からなる。季語を用いる必要はない。若水メンデス(秋山メンデス)の「白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染まずただようふ」などが有名。このびんは白鳥の「空が青い、海も青い。なのにワイだけなんで白なんや。孤独やわ。悲しいわ。」という嘆きを詠んだもの。「かなしからずや」を「かなしいのだろうか?」と訳せるかがポイント。
◯タンク
戦車のこと。1900年代に日露戦争で活躍した。
メンデスの歌に返歌してみよう
冒頭でも述べた通り、短歌は平安時代のコミュニケーションツールでした。ゆえに短歌には「返歌(へんか)」と呼ばれる誰かが詠んだ歌に対して歌で返信するという文化が存在します。本講義ではメンデスの歌に返歌をしますが、一から短歌を詠みあげるのは大変だと思うのでみなさんは以下のフリー短歌を使ってやってみましょう。
【フリー短歌】
・パリコレ(で) マゲを結っても 儚げだ 影にたゆたう 爆裂うんこしょう
・バスボムの 中に乾パン 誰入れた 有事に備え パスタを茹でよう
・さら砂を キャンタマ袋で 包みたり さしてすかさず 冠婚葬祭
どうでしょうか。メンデスの歌とフリー短歌を使った返歌とで情景が思い浮かべられたのではないでしょうか。短歌は日本が誇る文化のひとつです。日常生活からは姿を消しましたが、こうして短歌について学ぶことは我が国のアイデンティティを守ることになります。今回の講義を通じて一人でも多くの方が短歌に魅力を伝えられたのなら幸いです。
講義動画
第4時限 しばゆー先生 「短歌の解釈」(東海オンエアの控室より)